【無料型紙】マチ付き名刺入れの型紙設計 サイズの決め方がわかる

今回はマチ付き名刺入れ型紙製作工程の紹介です。

財布の小銭入れやコインケースなどにも活用できるマチ部分も含んだ名刺入れを設計します。適当にサイズを決めがちな外形サイズの決め方についてポイント解説もしています。最後に型紙PDFのダウンロードリンクも載せておりますのでぜひ最後までご覧ください!

型紙製作

以下の流れで、型紙製作工程を紹介します。今回は部品点数が少ないので組図作成のあとそのまま型紙を作成してしまいます。

  1. 仕様決め
  2. ポンチ絵(イメージ図)
  3. 組図作成
  4. 型紙作成

仕様決め

まずは仕様を決めていきます。

今回収納したいのは名刺です。なので一般的な名刺サイズが必要です。

高さ55×幅91mmが一般的なよく目にするタイプの名刺サイズで4合名刺と呼ばれます。

因みに一回り小さい欧米サイズや3合名刺、一回り大きい5〜7合名刺と呼ばれるサイズも存在します。日本では積極的に使用されるサイズではないため、今回は一般的な4合名刺サイズを基準にして設計を行います。

収納枚数は50枚入るようにしたいと思います。
名刺の厚みは一般的なもので0.2mm程度のため50枚収納のためには名刺入れの厚みが10mm程度必要となります。

ポンチ絵(イメージ図)

仕様がある程度決まったら、次はポンチ絵でイメージ図を描きます。今回極力シンプルなパーツで作成できるように2種類のパーツで構成しました。

ポンチ絵の左下のハッチング部分にマチを取り付けます。
マチ部分はカイトのような形状がよく用いられますが、収納部への食い込みを少なくするために長方形型のマチを二つ連結するカタチで設計することにします。(ポンチ絵の右下のタイプです)

組図作成

下図のW、H1、H2、H3、Rの寸法を順番に決めていきます。

まずWです。名刺の幅サイズが91mmなのでこれを基準にします。

W=名刺幅91mm + 縫い代片側3mm×2 + 余裕片側5mm×2で107mmで決定します。

続いてH1/H2ですがここは折り重なる部分のため同じ数値になります。
名刺の高さは55mmなので縫い代3mm+余裕分5mmとすると63mmになります。

ですがこのとき縫い線の距離をみてみると、下側が60mmとなっています。4mmピッチの菱目打ちを想定していますので、その場合段差部分(下図の赤丸箇所)にちょうど菱目打ちの穴がきてしまいます。

そこで1mm短い59mmとすることで段差部分を回避します。
(H2部分も併せて63→62mmに調整)

続けてRの寸法を決めます。(上の図では一旦20mmと記載している部分)

Rの寸法で名刺入れの厚みがおおむね決まります。今回厚みを10mmとしたいので直径10×3.14÷2で円の半周分の距離となります。

15.7mmとなるのでキリよく一旦16mmとします。

ここで再度縫い線位置に注目します。

菱目打ちの穴が段差部分と被らないようにしたいと思います。

先ほど決めた16mmの1mm内側に菱目打ちの穴が来るようにすると間隔が14mmとなります。

4mmピッチの菱目打ちを使用する想定なので、ここを4の倍数の16mmにしてあげます。

ということで、Rの寸法は16mm+1mm×2で18mmで決定します。

あとはH3部分が決まればというところですね。

H3部分は端面をR形状にしてみます。
実際にいろいろとR形状を書いてみてバランスが良さそうなデザインを選びます。

上図の中ではR142mmがいい感じなのでこれを採用します。H3の寸法はH1/H2と同じく62mmとします。

寸法が一通り出来上がったのでバネホック位置を決めます。ここもバランスを見てになりますが今回は端から15mmの位置としました。

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最後にマチ部分のサイズを決めます。
高さはH2と同じ62mmとします。幅方向は縫い代3mm×2で6mm+折曲がる部分を7mmとして13mmとしました。

この部品を片側二つずつ使用する設計とします。
下図が上から見た図です。赤丸部分がマチ部品です。(わかりづらいですね..)

これで全ての部品寸法が決まりました!

型紙完成

型紙化したものがこんな感じです。

↓↓PDF版はこちらです

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はシンプルな名刺入れの型紙を設計してみました。まずは収納したいものを基準にある程度サイズを決めて、そこから菱目打ちのピッチサイズに合わせて寸法を決める設計方法を解説しました。

今回の寸法の決め方は他のレザークラフトの型紙設計に活用できますので是非意識して設計してみてください。

参考になれば嬉しいです!

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