文庫本サイズのブックカバー型紙について設計のポイントを紹介します。最後に無料型紙PDFもつけていますので是非最後までご覧ください。
文庫本の外形サイズ
文庫本用のブックカバーを設計するためにはまずは文庫本のサイズが必要ですね。文庫本と呼ばれるサイズはA6判サイズで一般的には幅105mm×高さ148mmです。
ですが、出版社によって微妙に高さに差があるようです。
家にあった本を実測してみると、文春文庫さんの本は154mm、講談社さんの本は上記の通り148mmと同じ文庫本サイズでも6mm程度も差がありました。(出版社ごとに違いがあるのでしょうか。その内調べてみたいと思います)
同じ本のみに使用するのであればよいですが、それぞれに対応したブックカバーを作りたい場合、サイズ差があることを想定して余裕を持った寸法にした方がよさそうです。
なお厚みに関しては当然本によって差があります。こちらも実測したところ600ページで約25mm、400ページで約16mm、370ページで約15mmでした。
実測値ベースで、ページ数×0.04をすればざっくりmmで厚みが算出できそうですね。
幅広く使いたい場合は背表紙にあたる部分を大き目に設計しておく必要があります。
文庫本の展開図
まずは本の展開図を書いてみます。
幅105mmの表裏と厚みは仮に20mmとして下図のようになります。
この展開図を基準に型紙用の各サイズを決めていきましょう!
外形サイズの設計
型紙設計のためには下図のA1,A2,Bのサイズを決める必要があります。
まずは表裏面の幅サイズA1の寸法を考えていきたいと思います。基準になるのは文庫本の幅105mmです。これに片側の縫い代3mmと余裕5mmを加えた寸法とします。
A1 = 105+3+5 =113mm
次にA2寸法ですが、今回は厚み15mmの本を想定します。ここはR形状(半円形状)になるので、算数を駆使して円弧の長さを算出しましょう。
A2 = 15×3.14/2 = 23.6mm
となりますがここではきりよく A2 = 25mm としておきます。
※ここを大きくすることで幅広い厚みの文庫本に対応できます。様々な文庫本に使用したい場合は余裕をもった長さにしておきましょう。ここでは15mm厚みの本ジャストサイズで設計していますが、多少余ったところでそこまで気になりません。
最後に高さB寸法を決めていきます。
一般的な文庫本高さは148mmですが、文春文庫さんの場合154mmと若干大き目になっていました。(文春文庫さんが全てこの高さかは不明ですが..)今回はこちらの154mmを基準にサイズを決めたいと思います。
B = 170mm = 154mm + 縫い代3mm×上下 + 余裕5mm×上下
これで全ての外形が出てきました。カバーを差し込む部分を50mmとすると以下のようなイメージになります。
サイズの微調整
ここまでで大まかな外形サイズが決まりましたが、最後に菱目打ちサイズに合わせた微調整を行っていきます。今回は4mmピッチ菱目打ち、縫い線の位置は端から3mmとして調整したいと思います。
左上から菱目打ちを開始すると下図のようになります。左側は上下均等にそれぞれ3mmずつになっているので問題なさそうです。
一方で右側の段差部分2mmと右端4mm部分が左右のバランスがあっていないので調整する必要があります。
背表紙部分の寸法を前項で25mmとしていました。ここを24mmと1mm短くしてあげることでちょうど左右のバランスが良くなりそうですね。
これで全ての寸法が決まりました!
型紙完成!
完成した型紙がこちらです。
本の厚みが色々あると思いますので、背表紙部分の24mmの幅を使いたい本の厚みに合わせて変えてみてください。
※その際4の倍数でサイズアップしていくとよいです(4mmピッチの菱目打ちを使う場合)
A4サイズです。右上にスケールもつけているので正しいサイズで印刷できているか確認してから使ってみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ブックカバーの型紙についてどのように寸法を決めていくかをまとめてみました。
設計の仕方をまとめるのが目的だったので型紙PDFのデザインは無骨な感じになっています。これをベースにコーナー部をR形状にしたり、しおりを入れる切り込みを追加したりすることでオリジナリティを出していけると思います。
また今回は文庫本前提で設計しましたが、その他サイズでも基本的な考えは変わらないので作りたいサイズに合わせていろいろと寸法を変えてみてくださいね。
参考になれば嬉しいです!
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